リスクの最小化「持たない３原則」

毎年、多くの出版社から「成功の秘訣」を紹介をするビジネス啓発本が毎年出版されておりますが、時代背景・バックグラウンド・資本力等を鑑みると全ての人に適応されるわけではありません。
それよりもどうしたら失敗しないかを研究したほうがより合理的ではないでしょうか？ 「店舗を持たない」「在庫を持たない」「人を持たない」の3原則を基軸として持つことによりフランチャイズのリスクを最小化できると私たちは考えております。実際に「リーマンショック」「コロナショック」等の経済危機の際に企業の業績が大きく傾いた会社は上記の３点を会社内に抱えておりました。さぁ、これから無限の選択肢の中から本当に自分の人生を大きく左右するビジネスを選ぶ際に「何をしたいか」だけではなく「何をしてはいけないか」という別の視点も持ち合わせる必要性があります。

１ 店舗を持たない。

今現在多くのフランチャイズビジネスの多くが店舗型のビジネスモデルです。 店舗を賃貸で利用するにしろ、土地を購入をして建物を建てるしろ多額の初期費用がかかります。
賃貸であればエリアによっては差が多少なりともありますが一般的には賃料の10ヶ月分かかると言われております。 ここから内装工事等を合算すると多額の初期コストが生じてしまいます。
一方、土地を購入して建物を建てる場合には銀行からの多額の借入を行わなければならず、毎月の利息の支払いを銀行 に支払いをしなければいけません。そのため毎月の収益の中から元本の返済と支払い利息を捻出することとなります。
いずれにせよ、店舗を持つということは大きなリスクを負うこととになるのです。 昨今の新型コロナウィルスのような不測の事態では飲食店・フィットネスジム・映画館・ホテルなどといった初期投資を大きく必要とする 多くの店舗型のビジネスが甚大な影響を受けました。 果たして今後フランチャイズ契約をいずれのFC本部と契約をするにあたって、そのような店舗型のビジネスモデルを主体とする FC本部と契約するのは本当に得策なのでしょうか！？
FC本部との契約は結婚と同じく一生のうちで一度あるかないかの大切な決断になります。
有事の際に備えて平時からランニングコストの低いビジネスモデルの方が中長期的な視点で考えると安定経営を行えると私たちは考えております。

２ 多額の在庫を持たない。

コンビニや飲食店等のビジネスでは在庫を抱えなければビジネスは成り立ちませんが、そもそもこれからフランチャイズビジネスを選択していくにあたり在庫を抱えるビジネスを持つメリットがあるのでしょうか？
例え会計上利益が出ていたとしても仕入れを過剰にしてしまうことによってキャッシュフロー（お金の出入りの流れ）がマイナスになってしまうことは多くあります。 このような状況下で現金は減っているのにもかかわらず黒字で税金を支払わなければいけないといったことが起きてしまうのが在庫ビジネスの一番怖いところです。
さらに、在庫ビジネスでは全く売ることが不可能と判断したものを処分しなければいけないという在庫ビジネス特有の在庫リスクを負うことになります。 大手商社のようなダイナミックな資本を持ち併せている会社はバイングパワーによる値引き交渉と広範囲に及ぶ流通経路を武器に利益を得れるかもしれませんが、個人で在庫ビジネスを行うにはリスクとリターンのバランスが悪くなるのは言うまでもありません。
孫氏の兵法やランチェスター戦略での共通した考えではありますが、小資本の個人が大資本の企業に勝つためには戦うべき適切な事業を選択して資本勝負にならないビジネスモデルで戦う必要があります。 この観点からすると手に職を付けた技術職というのは資本勝負に巻き込まれず安定した経営を行うことが可能になります。

３ 「人」に依存をしない。

ご自身で事業を始めようと考えるときに多くのビジネスが正社員やアルバイト等の「人」に依存をしてしまいがちです。実際に採用・教育活動を行うと非常に骨の折れる仕事であることを身に染みてご理解頂けるかと思います。なかなか求人広告を打ったとしても人が集まらなかったり、採用をできたとしても、一生懸命教育をしたスタッフが急に退職をしてしまったり、会社の中枢を担うスタッフが他社に引き抜かれてしまって事業に影響を与えてしまったりと、本当に多くの「人」に関する問題に直面することがあります。
また、過去の歴史を遡っても不規則なスパンで不景気の嵐が必ず猛威を奮います。経営者は売上が良くても悪くても彼らのお給料を支払わなければいけません。そうなると小資本で戦う個人や中小零細企業は体力の消耗が早くなり倒産に繋がってしまいます。
一過性の流行を追いかけて果実を掴みに行くのではなく中長期的な視点を持ち安定経営を行うためにも不景気に強いビジネスは「人」に依存をしないことが如何に重要かご理解頂けるかと思います。

【プラスα】 新しい働き方

世の中には仕事に集中してたくさんお金を稼ぎたいというご家庭だけでなく、産まれたばかりの大切な子供との時間を大切にしたい、親の最期を看取るために介護に専念をしたい、定年退職後に適度に仕事をしたいなどなど多様な価値観を持った方がいらっしゃいます。
そんな多様な価値観を持った方がいる世の中にも関わらず、日本は多様な働き方のニーズを満たす世の中になっているでしょうか？私たちはそうなっていないと考えております。
これは正社員として一企業に働く時のみに生じる問題ではなく、多くの店舗型のフランチャイズビジネスを選んだとしてもこの問題に直面します。 「無店舗型」で「在庫なし」で「人に依存をせず」、「ご自身の技術に頼るビジネス」であれば人生のステージに応じた柔軟性のある働き方を実現することが可能です。