【この記事で分かること】

エアコンの「しずかモード」は、運転音を抑えられる便利な機能ですが、「電気代も安くなるの?」「自動運転とどちらが節約になるの?」と気になる方も多いのではないでしょうか。実は、しずかモードは節電を目的とした機能ではなく、風量を抑えて静かに運転するためのモードです。使い方によっては、部屋が冷える・暖まるまで時間がかかり、かえって電気代の節約につながりにくいこともあります。この記事では、しずかモードの電気代の考え方や、自動運転との違い、使ってよい場面・避けたい場面を分かりやすく解説します。
~目次~
エアコンのしずかモードとは?節電ではなく静音を優先するモード

エアコンのしずかモードとは、室内機から出る風量を抑え、運転音を小さくするための機能です。就寝時や在宅ワーク中、赤ちゃんが寝ている部屋など、エアコンの音や風の強さが気になる場面で使いやすい設定といえます。ただし、しずかモードは基本的に「電気代を安くするための節電モード」ではなく、「静かに運転するためのモード」です。風量を弱めることで一時的に消費電力が下がることはありますが、部屋が冷える・暖まるまでに時間がかかると、かえって運転時間が長くなり、電気代の節約につながりにくい場合があります。そのため、節電を重視するなら、まずは自動運転で室温を整え、音が気になるときにしずかモードを使うのがおすすめです。
メーカーによって「しずか」「静音」「微風」「弱風」など名称が違う

メーカーによって、しずかモードに近い機能の名称は異なります。たとえば「しずか」「静音」「微風」「弱風」「風量しずか」など、表示名は違っても、多くは風量を抑えて運転音を小さくするための設定です。ただし、すべてのメーカー・機種で同じ制御をしているわけではありません。室内機の風量だけを弱めるタイプもあれば、運転音や室外機の動きを調整するタイプもあります。また、「消音」は運転音ではなく、リモコン操作音を消す機能を指す場合もあります。正確な意味を知りたい場合は、使用中のエアコンの取扱説明書やメーカー公式サイトを確認しましょう。
しずかモードで静かになる理由はファンの風切り音が小さくなるから

しずかモードでエアコンの音が小さくなる主な理由は、室内機のファンが送る風の量を抑えるためです。エアコンの運転音には、ファンが回る音や吹き出し口から風が出る音、ルーバーが動く音などがあります。なかでも風量が強いときに気になりやすいのが、風が吹き出すときの「風切り音」です。しずかモードにすると風量が弱まり、ファンの回転や風の勢いが抑えられるため、運転音が静かに感じられます。
エアコンのしずかモードは電気代の節約にならないことがある
エアコンのしずかモードは、風量を抑えて運転音を小さくするための機能です。そのため、一見すると「風が弱い分、電気代も安くなる」と思われがちですが、必ずしも節約につながるとは限りません。エアコンの電気代は、室内機のファンだけでなく、室外機の圧縮機がどれだけ動くかにも大きく左右されます。しずかモードで風量を弱めると、冷気や暖気が部屋全体に行き渡るまで時間がかかり、設定温度に到達するまで運転時間が長くなることがあります。特に帰宅直後の暑い部屋や冬の寒い朝は、最初からしずかモードにすると効率が落ちやすいため注意が必要です。節電を重視するなら、まず自動運転で室温を整え、安定してからしずかモードを使うのがおすすめです。
(しずかモードが電気代の節約にならない理由)
- 一時的な消費電力は下がっても、運転時間が長くなると電気代は下がりにくい
- 部屋が冷える・暖まるまで時間がかかると逆に非効率になる
エアコン電気代は風量の強弱は影響が小さく、コンプレッサーの稼働が大きい

エアコンの電気代は、風量を「強」にするか「弱」にするかだけで大きく変わるわけではありません。電気代に大きく影響するのは、室外機にあるコンプレッサーがどれだけ稼働するかです。
コンプレッサーは、冷媒を圧縮して熱を運ぶための重要な部品で、冷房・暖房の中心的な役割を担っています。室内機のファンは風を送るために電気を使いますが、消費電力全体で見ると、コンプレッサーの稼働による影響のほうが大きくなります。
そのため、「風量を弱くすれば電気代が安くなる」と単純には言えません。風量を弱くしすぎると、冷気や暖気が部屋全体に届くまで時間がかかり、設定温度に到達するまでコンプレッサーが長く動き続けることがあります。結果として、弱い風で長時間運転するより、自動運転で効率よく室温を整えたほうが電気代を抑えやすい場合があります。
特に、帰宅直後の暑い部屋や冬の寒い朝は、最初からしずかモードや弱風にするのではなく、自動運転で室温を早めに安定させるのがおすすめです。室温が落ち着いてからしずかモードに切り替えると、静かさと快適性を両立しやすくなります。
エアコンの「しずかモード」と「自動運転」の電気代を比較
エアコンの電気代を抑えたい場合、基本的にはしずかモードより自動運転のほうが節電につながりやすいです。しずかモードは、風量を抑えて運転音を小さくするための機能で、パナソニック公式でも「風量を抑えて静かに運転します」と説明されています。つまり、しずかモードは節電を目的にした設定ではなく、静音性を優先するモードと考えると分かりやすいです。
一方、自動運転は、部屋が暑い・寒いときは必要な風量で運転し、設定温度に近づくと風量を抑えて室温を保ちます。そのため、最初から弱い風で運転するより、効率よく室温を整えやすいのが特徴です。ダイキンの検証でも、冷房時の風量「弱」と「自動」を比較した結果、風量自動のほうが消費電力量が約3割少ない結果になっています。
| 比較項目 | しずかモード | 自動運転 |
|---|---|---|
| 主な目的 | 運転音を小さくする | 室温に合わせて効率よく運転する |
| 風量 | 弱めになりやすい | 強弱を自動で調整 |
| 電気代 | 必ず安くなるとは限らない | 節電につながりやすい |
| 向いている場面 | 就寝時、音が気になる時 | 普段使い、節電したい時 |
| 注意点 | 冷暖房に時間がかかることがある | 立ち上げ時は音が大きく感じる場合がある |
ダイキンの検証では、8時から19時までの冷房運転で、風量「弱」は3.85kWh、風量「自動」は2.79kWhでした。電気料金の目安単価31円/kWhで計算すると、風量弱は約119円、自動運転は約86円となり、1日あたり約33円の差が出る計算です。なお、この数値は「しずかモード」そのものの実測値ではなく、風量を抑えた運転との比較目安として見るのが適切です。
| 設定 | 消費電力量 | 電気代目安 |
|---|---|---|
| 風量弱 | 3.85kWh | 約119円 |
| 自動運転 | 2.79kWh | 約86円 |
| 差額 | 1.06kWh | 約33円 |
しずかモードで風量を弱めると、室内機のファン音や風切り音は小さくなります。しかし、冷気や暖気が部屋全体に広がるまで時間がかかると、室外機のコンプレッサーが長く動き、結果的に電気代が下がりにくくなることがあります。特に帰宅直後の暑い部屋や、冬の朝の冷えた部屋では、最初からしずかモードにするより、自動運転で室温を早めに整えるほうが効率的です。
そのため、電気代を重視するなら、普段使いは自動運転、音が気になる就寝時や室温が安定した後はしずかモードという使い分けがおすすめです。しずかモードは「電気代を安くするモード」ではなく、「静かに快適に過ごすための補助機能」と考えるとよいでしょう。
エアコンのしずかモードを使ってもよい場面・使わないほうがよい場面

エアコンのしずかモードを使ってもよい場面
| 場面 | 理由 |
| 就寝時 | 音や風の不快感を抑えやすい |
| 室温がすでに安定している時 | 大きな冷暖房能力が不要なため |
| 赤ちゃんや高齢者がいて風を弱めたい時 | 直接風を避けやすい |
| 在宅ワーク・勉強中 | 運転音が気になりにくい |
| ワンルームで効きすぎる時 | 冷えすぎ・暖まりすぎ対策になる |
エアコンのしずかモードを使わないほうがよい場面
| 場面 | 理由 |
| 帰宅直後の暑い部屋 | 冷えるまで時間がかかりやすい |
| 真夏の昼間 | 冷房負荷が大きい |
| 真冬の朝 | 暖房負荷が大きい |
| 広い部屋 | 風量不足で温度ムラが出やすい |
| フィルターが汚れている時 | さらに効率が落ちやすい |
| 古いエアコン | 能力低下と重なると効きが悪くなる |
エアコンのしずかモードのメリット

エアコンのしずかモードには、運転音を抑えて静かに使えるだけでなく、風当たりの不快感をやわらげたり、室温が安定した後の快適性を保ちやすくしたりするメリットがあります。とくに就寝時や在宅ワーク中、赤ちゃんや高齢者がいる部屋では、強い風や大きな運転音が気になりにくい点が魅力です。ここでは、しずかモードを使うことで得られる主なメリットを4つに分けて解説します。
1. 運転音が小さくなり、就寝時に使いやすい

しずかモードは風量を抑えて運転するため、室内機のファン音や風切り音が小さくなりやすいです。寝室でエアコンの音が気になる方や、夜中に運転音で目が覚めやすい方には使いやすいモードです。
2. 風が直接当たる不快感を抑えやすい

通常運転よりも風がやわらかくなるため、冷風や温風が体に直接当たる不快感を軽減しやすくなります。冷房中に「寒すぎる」「風が強くて苦手」と感じる方にも向いています。
3. 室温が安定した後なら快適性を保ちやすい

部屋がすでに冷えている、または暖まっている状態なら、しずかモードでも快適さを保ちやすくなります。帰宅直後ではなく、室温が落ち着いた後に使うと、静かさと快適性を両立しやすいです。
4. 冷えすぎ・暖まりすぎをやわらげやすい

ワンルームや寝室など、エアコンの効きが強く感じる部屋では、しずかモードにすることで風量が弱まり、冷えすぎや暖まりすぎを抑えやすくなります。
エアコンのしずかモードのデメリット

エアコンのしずかモードは、運転音を抑えて快適に使える便利な機能ですが、使い方によっては冷暖房効率が落ちたり、電気代の節約につながりにくくなったりすることがあります。特に「静か=節電」と考えて常に使うのは注意が必要です。
1. 部屋が冷える・暖まるまで時間がかかる

しずかモードは風量を抑えて運転するため、冷気や暖気が部屋全体に広がるスピードが遅くなります。帰宅直後の暑い部屋や、冬の朝の冷えた部屋で使うと、快適な温度になるまで時間がかかりやすいです。
2. 電気代が安くなるとは限らない

風量が弱くなると一時的に消費電力が下がるように感じますが、設定温度に到達するまで運転時間が長くなると、結果的に電気代が下がらないことがあります。節電目的なら、最初は自動運転で室温を整えるほうが効率的です。
3. 広い部屋では効きが悪く感じやすい

リビングや広めの部屋では、しずかモードだと風量が足りず、部屋の端まで冷気や暖気が届きにくくなります。その結果、エアコンの近くは快適でも、離れた場所は暑い・寒いと感じることがあります。
4. 真夏・真冬の立ち上げ運転には不向き

外気温が高い真夏や、冷え込みが強い真冬は、エアコンに大きな冷暖房能力が必要です。このタイミングでしずかモードを使うと、室温がなかなか安定せず、かえって効率が悪くなる場合があります。
エアコンのしずかモードに関するよくある質問

エアコンのしずかモードは、運転音を抑えたいときに便利な一方で、「本当に電気代は安くなるの?」「自動運転とどちらが節約になるの?」と迷いやすい設定です。特に就寝時や赤ちゃん・ペットがいる家庭では、静かさだけでなく室温の安定も大切になります。ここでは、しずかモードの電気代や使い方でよくある疑問を、一般の方にも分かりやすく解説します。
エアコンのしずかモードは電気代が安くなりますか?
A.しずかモードにすると風量が弱まり、運転音が小さくなるため、一時的な消費電力が下がることはあります。ただし、部屋が冷える・暖まるまでの時間が長くなると、結果的に電気代が安くならない場合もあります。しずかモードは「節電モード」ではなく、基本的には「静かに運転するための機能」と考えるのがおすすめです。
しずかモードと自動運転はどちらが節電になりますか?
A.節電を重視するなら、基本的にはしずかモードより自動運転のほうがおすすめです。自動運転は、室温が設定温度に近づくまで必要な風量で運転し、安定後は風量を抑えて効率よく調整します。一方、しずかモードは最初から風量を抑えるため、冷暖房に時間がかかり、電気代の節約につながりにくいことがあります。
しずかモードを一晩中使うと電気代はいくらですか?
A.しずかモードを一晩中使った場合の電気代は、機種・部屋の広さ・外気温・設定温度によって大きく変わります。目安として、消費電力が300Wなら8時間で約74円、500Wなら約124円です。電気料金単価31円/kWhで計算した場合の目安なので、実際の金額は契約している電力会社や使用環境によって変わります。
冷房のしずかモードと暖房のしずかモードで電気代は違いますか?
A.冷房と暖房では、しずかモード使用時の電気代が変わることがあります。一般的に暖房は、外気温が低いほど室外機の負担が大きくなりやすく、冷房より電気代が高くなりやすい傾向があります。特に冬の朝や寒い部屋で最初からしずかモードにすると、暖まるまで時間がかかるため、自動運転で室温を整えてから使うのがおすすめです。
しずかモードにしても部屋が冷えないのは故障ですか?
A.しずかモードで部屋が冷えない場合、すぐに故障とは限りません。風量を抑えて運転するため、帰宅直後の暑い部屋や広い部屋では、冷えるまで時間がかかることがあります。まずは自動運転や通常運転に切り替え、フィルター汚れ、室外機まわりの障害物、設定温度を確認しましょう。それでも冷えない場合は、故障やガス不足の可能性もあります。
赤ちゃんがいる部屋ではしずかモードのほうがよいですか?
A.赤ちゃんがいる部屋では、しずかモードが役立つ場面もあります。運転音や風の強さを抑えられるため、就寝時や直接風を当てたくない時には使いやすい設定です。ただし、最優先すべきなのは静かさより室温の安定です。暑すぎ・寒すぎを防ぐため、まずは自動運転で室温を整え、必要に応じてしずかモードや風向調整を使うのがおすすめです。
ペットの留守番中にしずかモードを使っても大丈夫ですか?
A.ペットの留守番中にしずかモードを使うこと自体は可能ですが、暑さ・寒さ対策としては自動運転のほうが安心です。しずかモードは風量を抑えるため、真夏や真冬、日当たりのよい部屋では室温が安定しにくい場合があります。留守番中は、ペットが快適に過ごせる温度を保てるよう、自動運転・タイマー・室温計の併用がおすすめです。
古いエアコンでもしずかモードは使ったほうがよいですか?
A.古いエアコンでもしずかモードは使えますが、節電目的で常用するのはあまりおすすめできません。年数が経ったエアコンは、フィルター汚れや内部汚れ、部品の劣化などで冷暖房効率が落ちていることがあります。その状態でしずかモードにすると、さらに効きが悪く感じる場合があります。まずはフィルター掃除や通常運転で効きを確認しましょう。
まとめ

エアコンのしずかモードは、電気代を安くするための節電モードではなく、運転音や風の強さを抑えるための機能です。風量が弱くなるため静かに使えますが、部屋が冷える・暖まるまで時間がかかると、かえって電気代の節約につながらないこともあります。節電を重視するなら、まず自動運転で室温を整え、室温が安定してから就寝時や音が気になる場面でしずかモードを使うのがおすすめです。

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