【この記事で分かること】

エアコンから結露が漏れてきて困っている・・・どこが原因でどのように対処をしていいか分からない・・・そんなお悩みを持っていらっしゃいますか?

本記事ではエアコンに結露ができる原因と対処法を解説するだけでなく、エアコンの結露発生場所ごとに異なる結露の原因を特定する方法
エアコンに結露ができる仕組み配管部分の結露対策アイテム自分でできるエアコンの結露を予防する方法等を詳しく紹介しておりますので是非ともご参考にしてください。

エアコンに結露ができる仕組み

エアコンの結露は、室内にある水分を含んだ暖かい空気が冷やされた熱交換に触れることで生じます。
特に、梅雨から夏にかけては空気が温かく湿っているので、エアコン内部に結露が生じやすいです。つまり、エアコン内部に取り入れた温かく湿った空気が一気に冷却されるときに、結露が起こります。例えば、コップに氷と水を入れて数分経つと、コップの周りに水滴ができますが、エアコン内部にもこのような状況が起きています。

【エアコンの結露発生の仕組みを科学的に解説】

空気中の温度度が高いとより多くの水分量を含むことができる一方、空気中の温度が低いと少ない水分量しか含むことができません。この空気中に含まれる水蒸気の最大量のことを「飽和水蒸気量」と言います。飽和水蒸気量は1m³の空気中に含まれる水蒸気の質量は空気の温度気温によって変化するため、エアコンの熱交換器によって水分をたくさん含んだ暖かい空気が冷やされると、飽和水蒸気量が減り空気中の水分として取り込めなくなった余剰水分が結露となって発生します。

(飽和水蒸気量の計算方式)

各気温での飽和水蒸気量(g/m³)=1m³ の空気中にふくまれている水蒸気量(g/m³)÷湿度(%)× 100

(解説)各飽和水蒸気量は温度の変化によって変わりますので、温度が低くなった時に飽和しきれない部分の差分がエアコンで発生結露の量になります。

エアコンに結露ができる原因と対処法8選

エアコンに結露ができる原因は合計で8つあり、それぞれの原因ごとに対処法は異なります。エアコンの結露が発生する原因をしっかりと見極めたうえで、詳しく対処法を解説しておりますので是非ともご参考にしてください。

原因1 風向板(ルーバー)の下向きになっているから

エアコンの風向板(ルーバー)が下向きになっていると、冷たい空気が室内の床から跳ね返り冷気がエアコンに戻ってきてしまいます。エアコンの冷気が効率よく循環せずに、エアコンの吹き出し口から出た冷気が風向板(ルーバー)に当たることでエアコン周辺に冷たい空気の空気だまりが発生してしまい、風向板(ルーバー)に結露が発生してしまいます。

【具体的な対処法】風向板(ルーバー)の向きを上向きにする。

風向板(ルーバー)の向きを上向きにすることで結露を防ぐことが可能です。風向板(ルーバー)の向きを上向きにすると冷たい空気は室内の上部から下部にゆっくりと流れていきますので、部屋全体を均一に冷やせます。さらに、サーキュレーターを活用して室内に溜まった冷たい空気を再度室内の下から上へ空気の流れを作ることによって、グルグルと室内の中に空気が循環されていき、より室内の気温を均一にでき、エアコンの冷房効率を上げるだけでなく、結露の発生を防ぐこともできます。

原因2 エアコンのフィルターが汚れているから

エアコンのフィルターがホコリや黒カビで汚れていると、エアコンの上部から空気を吸い込む能力が低下してしまい、エアコンの吹き出し口から冷たい風を吐き出しにくくなってしまいます。エアコンの上部から空気を吸い込み、エアコンの吹き出し口から風を吐き出す循環が滞ってしまいますと、エアコンの内部の空気が過冷却してしまい、結露が発生してしまう原因になってしまいます。

【具体的な対処法】エアコンのフィルター掃除を行う。

エアコンのフィルターが汚れている場合には、エアコン本体からフィルターを取り出して掃除を行いましょう。フィルターにはホコリや黒カビ以外にもキッチンから気化した油汚れや、人間の皮脂汚れ等も交じっておりますので、丁寧に中性洗剤とブラシを使って汚れを取り除いてください。綺麗になったフィルターはタオルでしっかりと水気を取り除き、日陰干しをして乾燥させてからフィルターを本体に挿入するようにしてください。

【より詳しく解説】エアコンのフィルター掃除法と手順

原因3 熱交換器が汚れているから

エアコンの熱交換器が汚れていると、エアコンの上部から空気を吸い込みが難しくなり、エアコン内部の熱交換器周辺の空気が滞留してしまい過冷却され、結露が発生する原因となります。

【具体的な対処法】熱交換器の汚れを高圧洗浄機で取り除く。

エアコンの熱交換器が汚れている場合には、高圧洗浄機を利用して熱交換器の汚れを取り除きましょう。熱交換器の汚れを取り除くことによって、熱交換器の隙間から空気を吸い込みことができ過冷却を防ぐことができ、エアコンの結露を防ぐことが可能になります。

原因4 ドレンパンがホコリやカビ等の汚れで詰まっているから

エアコンのドレンパンに汚れが溜まっていると、結露した水がドレンパンから溢れてしまい、結露がエアコンから落ちてくる原因に繋がります。ドレンパンは熱交換器で発生した結露を一度全て受けとめるパーツですので非常に汚れやすくなっております。一般の方で市販のエアコンクリーナーでドレンパンを掃除する方もいますが、完全に汚れを落とすことは難しいですし、故障の原因にもなりますので、市販のエアコンクリーナーでドレンパン掃除をするのはやめましょう。

【具体的な対処法】ドレンパンを分解して洗浄する

ドレンパンの汚れが気になったらファンや熱交換器も一緒にプロの業者にエアコンクリーニングを依頼することをおすすめします。プロの完全分解エアコンクリーニング業者に依頼をするとドレンパンをエアコンから分解をして洗浄してくれます。ドレンパンに詰まった汚れを一網打尽に取り除いてくれるので、エアコンから結露を防ぐことが可能です。

原因5 ドレンホースが詰まっているから

エアコンのドレンホースの内部にホコリ、カビ、虫等が詰まっている場合には、結露水がドレンホースの先端の穴から排水をすることができなくなり、エアコンの室内機から結露が漏れてくる原因になります。

【具体的な対処法】ドレンホースを洗浄する

エアコンのドレンホースが汚れ等で詰まっている場合には、エアコンのドレンパンとドレンホースを一度切り離してから、室内機側のドレンホースの穴から高圧洗浄機でドレンホース内部を洗浄するようにしましょう。高圧洗浄機の強い水圧でドレンホース内部に溜まった汚れを全て綺麗にすることができ、結露が漏れる心配はありません。

【より詳しく解説】【プロ解説】エアコンのドレンホースの掃除方法|効果抜群でスッキリ綺麗

原因6 エアコンの室内機が逆勾配になっているから

エアコンの室内機が逆勾配になっていると、ドレンパンで溜まった結露水が室内機に滞留してしてしまい結露がエアコン内部から落ちてくる原因になります。

【具体的な対処法】エアコンの室内機を水平に直す

エアコンの取付設置業者にエアコンの室内機を水平に直してもらうように依頼をしましょう。プロのエアコンの取付設置業者に依頼をするとエアコンの室内機を一度取り外してもらい、エアコンの裏側に設置されている背板を水平器を使って水平方向に微調整してくれます。背板が水平に保たれたら、再度エアコンの室内機を取り付けてもらえれば、エアコンの結露水がドレンパンからドレンホースに流れるようになり、結露がエアコンから漏れなくなります。

原因7 ドレンホースが逆勾配になっているから

エアコンのドレンホースが逆勾配になっていると、エアコンの結露水が上手く室外に排出することができずに、エアコンの結露を発生してしまう原因になります。エアコンの水漏れが発生している現場を見るとドレンホースが逆勾配となっているケースは大きく分けて3つありますので是非ともご確認ください。

【ドレンホースが逆勾配となっているケース】

その1 配管穴内部でドレンホースが逆勾配となっている

(解説)エアコンの取付設置業者がエアコンの配管穴にドレンホースを通す際に、本来であれば熱交換器で発生した結露水がしっかりとドレンホースに流せるようにゆるやかな勾配をつけなければいけないのですが、間違って配管穴の内部でドレンホースが逆勾配になってしまい室外に結露水が流れないケースがあります。

その2 室外に露出されたドレンホースが室外機の架台ブロックに乗り上げて逆勾配となっている

(解説)室外に露出されたドレンホースが室外機の架台ブロックに乗り上げて、ドレンホースがUの字になっているとUの字の部分が逆勾配となってしまいドレンホースの先端から結露水が流れないケースがあります。

【具体的な対処法】ドレンホースの勾配を順勾配に直す

【配管穴内部でドレンホースが逆勾配となっている場合】

エアコンの取付設置業者に配管内部でドレンホースが逆勾配になっているのを直してもらい、配管内部のドレンホースの勾配を順勾配にしてもらいましょう。

【ドレンホースが室外機の架台ブロックに乗り上げて逆勾配となっている場合】

架台ブロックに乗り上げてしまったドレンホースを床に下して逆勾配がなくなるようにしましょう。また、しっかりと結露水がドレンホースの先端の穴から排水できるように、床から数センチ離してドレンホースをカットすることを推奨致します。

原因8 劣化したドレンパンが歪んでいるから

ドレンパンはプラスチックでできておりますので、経年劣化してくれると若干の歪みが発生してきます。ドレンパン自体に歪みが生じてしまいますと、熱交換器で発生した結露水をしっかりとドレンパンで受け止めることができずに結露を発生させてしまう原因になります。特に熱交換器の右側には配管がむき出しになっているのですが、その部分の真下のドレンパンに結露水がしっかりと受け止めることができずに、結露がドレンパンから漏れて水漏れの原因になることが多いです。

【具体的な対処法】ドレンパンの交換依頼をする

古くなって歪みが生じてきたドレンパンは各エアコンメーカーのカスタマーセンターに連絡をしてドレンパンの交換を依頼しましょう。カスタマーセンターに連絡を入れるとお住いの近くの修理業者が駆けつけてくれ、ドレンパンの交換をしてくれます。但し、エアコンの製造が10年を超えているエアコンに関しては対応してくれませんのでご注意ください。10年経過している場合は、ドレンパンの交換依頼ができませんので交換依頼ではなく新規のエアコンに買い替えを推奨致します。

エアコンの結露発生場所ごとに異なる結露の原因を特定する方法

エアコンの結露が発生する原因を8つ紹介させて頂きましたが、具体的にどの原因が該当しているか分からない・・・そんな方は是非ともエアコンの結露原因を特定させるために、エアコンの結露が発生している場所をご確認ください。結露の発生場所によって結露の原因を分類させることが可能です。

吹き出し口から結露が漏れる

エアコンの吹き出し口から結露が漏れる場合、エアコン内部やフィルターに埃が溜まっていたり、結露した水の通り道であるドレンホースが詰まっている可能性があります。フィルターを取り外してフィルター掃除してドレンホース洗浄を行えば、結露を止めることができる可能性が高いです。

【原因】フィルターの汚れ,ドレンホースの詰まり

吹き出し口に結露が付着している

エアコンの風向板に結露が付着している場合、エアコンの設定温度が19度以下で室内と外気の温度差が大きかったり、冷房を使用しているときに窓を開けて換気を行ったり、結露ができやすい室内環境になっている可能性があります。また、風向板の角度が下向きになっていると、冷たい空気が床から戻ってきて、エアコン周辺の空気が過冷却され結露が発生しやすくなります。風向板の向きを上向きや水平にすることで、結露の付着を最小限に抑えることができます。

【原因】過度な設定温度,風向板の向き

エアコンの背面、底面、外装の継ぎ目から結露が落ちる

エアコンの背面、底面、外装の継ぎ目から結露が発生している場合、エアコンの設置状況や故障、ドレンホースの詰まりなどによる水漏れが原因かもしれません。設置や故障の場合は状況確認が必要なため、エアコンを購入した店舗やメーカーに問い合わせてください。

【原因】エアコンの設置状況,ドレンホースの詰まり

【参考】パナソニック エアコン本体から水が漏れる・水滴が落ちるときは

エアコンの結露を放置するリスク

エアコンの結露を放置していると、エアコン内部にカビや雑菌の発生・繁殖のリスクが高まります。エアコンから出る風から不快な臭いがするときは、エアコン内部にカビや雑菌が溜まっていることがほとんどなので、そのままエアコンを使用し続けていると咳や鼻水、さらにひどくなると喘息や肺炎などの原因となり、健康を害する恐れがあります。

また、エアコン内部にカビや雑菌が発生・繫殖してしまうと、プロのエアコンクリーニングを利用しないとカビや雑菌は完璧には取り除けません。健康を守るためにも、エアコン内部の結露を防ぐことを常に意識しましょう。

(業者用)配管部分の結露対策アイテム

エアコンの配管分は冷媒ガスが流れている場所ですので、結露が生じやすくなります。そこで、こちらでは冷媒管の結露対策ができるおすすめのアイテムを2つご紹介致しますので是非ともご確認お願いします。

(注意)こちらはエアコンの取付設置業者用のコンテンツです。一般の方がこちらの情報を元に施工することは危険を伴いますので必ずプロの取付設置業者に依頼をしましょう

結露防止用テープで配管を巻く

エアコンを設置したときに配管に巻かれるテープを、結露防止用テープと言います。結露防止用テープには断熱材としての役割があり、結露はこのテープの劣化により起こります。テープの劣化で結露が発生した場合は、結露防止用テープを新しいものに換えて配管に巻きなおします。テープを巻く手順は、巻く部分の埃を拭き取ってから下から上にテープを巻いていき、巻き終わり部分をビニールテープで止めます。簡単にできますので、結露が気になる場合は試してみてくださいね。

内径の厚い20mmの結露防止用の耐熱パイプカバーを取り付ける

通常、エアコンの取付設置業者が利用する耐熱パイプカバーは8mmの厚さですが、内径の厚い20mmの結露防止用の耐熱パイプカバーに取り換えることによって、エアコンの冷媒管の結露をさらに予防することができます。20mmタイプの結露防止用の耐熱パイプカバーであれば、外気と冷媒管の温度差が生じにくいので、結果としてエアコンの結露は発生しにくくなります。

自分でできるエアコンの結露を予防する方法

自分で簡単にできるエアコンの結露の予防方法をご紹介しますので是非ともご参考にしてください。

冷房の設定温度を28℃にする

環境省が推奨する冷房の設定温度を28度にすると、室内と外気の温度差が小さくなるので、結露が生じるのを防ぐことができます。冷房の設定温度が低く室内が冷えすぎると、室内と外気の温度差が大きくなるので結露が発生し、エアコン内部の結露をそのまま放置するとカビや雑菌の発生・繁殖の原因になります。

結露防止運転機能の内部クリーンをONにする

エアコンの結露防止運転機能の内部クリーンは、エアコン内部を乾燥させる機能で、冷房や除湿をしたあとに使用すると結露ができにくくなります。また、カビや雑菌の発生やそれに伴う嫌な臭いを防ぐことも可能です。

除湿器を稼働させる

冷房のスイッチを切った後に除湿器を湿度50~55%に設定し、30分程度稼働させます。そうすることで除湿器がエアコン内部に溜まった水分を回収し、結露を防ぐことができます。特に空気が温かく湿っている梅雨から夏の時期に行うと効果的です。

年に1度業者にエアコンクリーニングを依頼する

エアコンの結露を防ぐには、年に1度業者にエアコンクリーニングを依頼することをおすすめします。エアコン内部の汚れをプロ仕様の道具や洗剤で徹底的に掃除することで、カビや雑菌の発生を防ぎ、冷房の効きをより良くすることができます。

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