失敗しないエアコンのフレア加工のやり方・専用工具も紹介!

【この記事で分かること】
失敗しないエアコンのフレア加工のやり方と手順を知りたいと悩んでいませんか?エアコンのフレア加工は配管と配管をしっかりと接続させるために必要不可欠です。

本記事ではエアコンの取り付け設置のプロが教える失敗しないエアコンのフレア加工のやり方と手順を解説するだけでなく、フレア加工でおすすめの工具フレア加工時の5つの注意点等を紹介しておりますので是非ともご参考にしてください。

エアコンのフレア加工とは?

エアコンのフレア加工とは室内機側と室外機側の2本の配管をそれぞれ接続するために配管の先端部分をラッパ状に広げること工程を指します。エアコンのフレア加工はエアコンの取り付け工程の中で最も重要な工程の1つで、適切なフレア加工が施されていないと配管内の冷媒ガスが抜けてしまいガス漏れの原因になってしまいます。

エアコンのフレア加工をする際は専用のフレアツールを利用することによって仕上がりが綺麗なラッパ状になりますが、特にフレア加工を施した配管の内側に傷やヒビが入っていると徐々にガスが抜けて、エアコンを取り付けてから1年もしないうちにエアコンの効きが悪くなってしまいますのでエアコンの正しいフレア加工技術をこちらのサイトで身に着けてフレア加工の実践を行って頂ければ幸いです。

【有料級】エアコンのフレア加工の正しいやり方

エアコンの取り付け設置のプロが教えるエアコンのフレア加工の正しいやり方をご紹介しますので是非ともしっかりと覚えて下さいね。

配管のサイズを確認する。

配管のサイズ基本的に2分3分配管2分4分配管の2つの種類が有りますので事前に配管のサイズを確認してください。

チューブカッターで配管を切断する。

チューブカッターで配管を切断する際は必ず直角にカットするようにしてください。

リーマーでバリ取りをする。

3~5回ほどリーマーを回転させてバリ取りを行ってください。リーマーでバリ取りをすると金属片が配管の中に溜まっているので必ず金属片を外に出すように配管を軽く叩いて綺麗にしてください。金属片が配管内部に残っていると配管内部に傷がついてしまいますのでご注意ください。

フレアツールのコーン(穴)に配管を固定する。

フレアツールのコーン(穴)に配管を固定する際は、必ずコーンに対して配管を垂直に設置してください。斜めになっているとカットの断面が楕円状になって配管と配管の接続がうまくいきません。

インパクトドライバ対応フレアツールで配管をラッパの形状にする。

インパクトドライバ対応フレアツールで配管の先端をラッパの形状にしてください。配管は銅で作られており過度な圧力が配管にかかると割れが生じてしまいますので、インパクトドライバーを高速回転ではなく低速回転でフレア加工をしてください。そうするとフレア加工後の配管の断面が綺麗な光沢を帯びた真円になります。

【実験】プロvs素人 フレア加工の比較

エアコンの取付設置業者のプロが行うフレア加工技術と一般人が自分でDIYした時にどの程度違いがあるか比較してみましょう。

プロによるフレア加工の配管断面

15年間、エアコンの取付設置のプロとしては働いている職人さんのフレア加工の配管断面を一緒に見てみると非常に綺麗に仕上がっているのが分かりますね。配管内には割れや傷がひとつも入っていないですし、バリ取りも適切に行われています。またカットが直角になっているので、こちらのフレア加工でしたら安心して配管接続ができますね。

素人が自分でDIYしたフレア加工の配管断面

それでは一般人が自分でDIYしたフレア加工の配管断面の写真も見てみましょう。フレア加工後の配管の内側を見てみると残念ではありますが少し傷が入っているのが分かりますね。また配管の断面が楕円状になっているので、これでは配管を接続をしてもガス漏れが発生してしまいます。

エアコンのフレア加工でおすすめの工具

エアコンのフレア加工で必要な工具は多くのメーカーから販売されておりますが、特にオススメの工具のみを厳選してご紹介をしたいと思いますのでご確認お願いします。

電動インパクトドライバ対応フレアツール 型番TA550CX

電動インパクトドライバ対応フレアツール 型番TA550CXは多くのエアコンの取り付け業者御用達の人気フレアツールです。手動のフレアツールからこのインパクトドライバー対応のフレアツールに切り替えると如何に短時間で楽に且つ正確にフレア加工ができるかに感動してしまいます!

作業スピードの短縮はエアコンの取り付け業者にとって一日の売上に大きく直結する部分ですので非常にありがたいツールです。重量:約1500gと他のフレアツールと比較しても軽量タイプですので、非常に取り回しも素晴らしくオススメです。

JAPPY製チューブカッター(TUBE CUT MEISTER) 品番 JKT-432A

JAPPY製のチューブカッター(TUBE CUT MEISTER) 品番 JKT-432Aは両刃タイプではなく片刃タイプですのでバリが出にくいチューブカッターで非常に使いやすくおすすめです。

こちらのチューブカッターにはシャフトにスプリングが」内蔵されておりますので、従来品と比べてきつく締め付けをしなくても配管を綺麗に切断することが可能です。

イチネンTASCO クランクリーマー TA520CK

イチネンTASCO クランクリーマー TA520CKはリーマーの中でもベストセラー商品で有名で軽く3回転させると配管内部のバリ取りをしっかりとしてくれますので非常に便利です。また、イチネンTASCO クランクリーマー TA520CKはコンパクトで操作性にも優れているのでフレア加工をするなら間違いない商品です。

電動インパクトドライバ対応フレアツールの注意点

電動インパクトドライバ対応フレアツールの注意点としましては、エアコンのフレア加工後にハンドルを戻す際に最後はインパクトドライバーを高速回転をしながら戻すのではなく手動で戻すことを推奨しております。

高速回転で戻してしまうとピンが折れて、その折れたピンで怪我をしてしまうリスクがあるので必ず最後は手動で戻すことだけ注意してくださいね。

エアコンのフレア加工時の5つの注意点

エアコンのフレア加工時の4つの注意点について解説をしていきます。エアコンのフレア加工をした後は必ず下記の内容をしっかりとチェックして頂くようお願いします。

フレア加工のカットが垂直になっており歪みがないか?(斜めカットは絶対ダメ)

フレア加工後のカットが垂直になっており真横からフレア加工を見た時に歪みがないことは非常に重要ですので必ず注意をお願いします。フレア加工後のカットを垂直にするためにはフレアツールのコーンにしっかりと正しくセットされていればフレアの形状が歪むことはありませんので正確にフレアツールを配管にセットしてください。

フレア加工後の配管にバリがないか?

フレア加工後の配管にバリがないかは必ずご確認お願いします。両刃のパイプカッターでカットをするとどうしてもバリが出やすくなるので、配管を適切な長さに切断した後はリーマーでバリ取りを行ってください。また、エアコンのフレア加工をよりバリがない状態で綺麗に仕上げたい場合には両刃のパイプカッターではなく、片刃のパイプカッターをオススメします。

片刃のパイプカッターで配管を切断すると、バリを抑えることができます。また、エアコンの配管内にバリ取りをした後の金属片が残っていないかも確認してください。

金属片が配管内に残っていると、配管の内側に傷が出来てしまいそこから冷媒ガス(フロンガス)が漏れてしまいますので、フレア加工後は配管を逆さまにして軽くポンポンと叩いて頂ければ、配管内のバリの金属片も取り除くことが出来ますので実践してみてください。

フレア加工後の配管に割れや傷がないか?

フレア加工後の配管に割れや傷があるかないかの確認も必ず注意して確認をお願いします。エアコンの配管に割れや傷が入っていると、そこから冷媒ガスが抜けてしまいますので、エアコンの冷暖房能力が著しく落ちてしまいます。

もし、フレア加工後の配管に割れや傷を発見できたら、再度パイプカッターで配管を切断してフレア加工を仕直すことをオススメします。

フレア寸法不足と寸法過大になっていないか?

エアコンのフレア加工をする際はフレア寸法表を確認の上、配管に適切なフレアの深さが確保できるように施工をお願いします。

フレアが楕円になっていないか?

エアコンのフレアツールと配管を垂直にセットして施工を行わないと、フレア加工の断面が楕円状になってしまいますので、必ず垂直にセットをしてください。配管に対して90度垂直でフレア加工できれば切断面は必ず真円になります。

エアコンのフレア加工の失敗事例

こちらの写真がエアコンのフレア加工の失敗事例です。正直、プロとしてフレア加工の失敗事例を見せるのは非常にお恥ずかしいものではありますが、今後の戒めと皆さんにはこのような失敗をして欲しくないので勇気をふり絞って公開させて頂きました。

こちらの右側の配管のフレア加工は明らかにガス漏れを引き起こすほどの失敗です。マニホールドで値が-0.1MPaまでいったことを確認してから3分もしないうちに数値が上昇してしまいました。つまり、配管と配管の接続部分から空気が抜けている証拠です。右側の配管のフレア加工をよく見ると分かるのですがモンキーで締め付けが強すぎたため、先端がつぶれてしまっております。

フレアツールを正しく配管に固定をしたり、バリ取り後の配管の金属片を残さないように注意をしたり、配管と配管をトルクレンチとモンキーで接続する際の締め付けは強すぎてもダメで弱すぎてもダメと非常に細心の注意を払って仕事をしなければいけないのが、このフレア加工なのです。皆さんは是非ともこの写真のようにエアコンのフレア加工のように失敗しないように丁寧に作業をしてくださいね。

失敗したフレア加工はガス漏れの原因に!

エアコンのフレア加工で失敗するとガス漏れの原因になりますので、フレア加工後は配管にバリや傷や歪みがないかのチェックは必要不可欠です。

また、室内機側と室外機側の配管をモンキーで接続する際に強く締めすぎてしまうことによって配管の先端が割れてしまうことも御座いますので、適度な強さで締めるように注意をお願いします。

エアコンのフレア加工でガス漏れを起こしてしまうと非常に厄介なことにエアコンの効きが悪くなってしまうのにも関わらず、エアコンのエラーコードが一切発生しないのでエアコンの効きが悪くなった原因を発見するのに遅れてしまうことが多いです。

エアコンのフレア加工後にガス漏れ箇所の特定方法

フレア加工後の施工不良でガス漏れが発生した時には焦らず、下記の3つの方法のいずれかでガス漏れ箇所を特定してみてください。

石鹸水を泡立てて目視で確認する。

エアコンのフレア加工の施工不良でガス漏れが発生した時のガス漏れ箇所を特定する方法は、非常に簡単で石鹸水を配管全体にたっぷりと付けると「プクッ」と泡が何度も出てくる箇所を特定することができます。

この泡が出てきている個所こそが、ガス漏れの箇所ですので、再度ポンプダウンを行ってから、フレア加工を行い、配管接続を行ってください。そして、冷媒ガスを再度充填すると冷暖房能力がもとに戻りますのでご参考にして頂ければ幸いです。

ガス漏れの「シューッ」という音で確認する。

エアコンのフレア加工で施工不良があった場合には配管から「シューッ」という音がしますので、そのガス漏れの音を頼りにガス漏れ箇所を特定することも可能です。

配管内に蛍光剤を充填してからUVライトを照射して確認する。

配管内に蛍光剤を充填してからUVライトを照射すると、簡単にガス漏れ箇所の特定をできます。こちらは非常に精度が高いのでエアコンの修理業者では非常に人気のツールです。

フレアー加工なし・不要のエアコン用継手

フレアー加工なし・不要のエアコン用継手 ナスロックMD冷媒銅管継手は非常にエアコン取り付け業者の中で人気を集めております。それは面倒なフレア加工が不要になりますので、エアコンの取り付け設置業務の短時間施工に大きく寄与するからです。

また、エアコンの取り付け設置を生業としている業者であれば、エアコン取付後に施主より「エアコンの効きが悪い」から再度エアコンを確認して欲しいと言った連絡は非常に面倒な仕事です。

エアコンのフレア加工が適切に行われていないとガス漏れの原因に直結しますので、エアコンの冷え具合が悪いといったクレームを受けることがあります。そのためフレアー加工なし・不要のエアコン用継手はエアコンの取り付けを専門にする職人さんには非常に重宝されております。


Categories:


Comments

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です