【この記事で分かること】
エアコンの真空引き・ポンプダウンの正しい手順と方法を知りたいと悩んでいませんか?エアコンの真空引き・ポンプダウンはエアコンの取り付け設置や移設時に必要不可欠の工程です。
本記事ではエアコンの真空引き・ポンプダウンの正しい手順と方法を解説するだけでなく、エアコンの真空引き・ポンプダウンに必要な工具や時間や、エアコンの真空引き・ポンプダウン時の爆発事故の回避術も紹介しておりますので是非ともご参考にしてください。
~目次~
- 1 エアコンの真空引き・ポンプダウンとは?
- 2 【超有料級】プロが解説!エアコンの真空引き・ポンプダウンの正しい手順と方法
- 3 エアコンの真空引き・ポンプダウンに必要な工具
- 4 エアコンの真空引き・ポンプダウンの所要時間
- 5 エアコンの真空引き・ポンプダウンの確認方法は簡単!真空計のメモリ数値が-0.1Mpaが目安!
- 6 エアコンの真空引き・ポンプダウン後に真空放置をして真空計のメモリが戻らないかをチェック
- 7 エアコンの真空引き・ポンプダウンをしないとどうなるか?
- 8 エアコンの真空引き・ポンプダウンはエアコンの標準工事に含まれる!?
- 9 真空引き・ポンプダウンを行う際の注意点
- 10 【危険!】エアコンの真空引き・ポンプダウン時になぜ爆発事故が起こる?その原因は?
- 11 【超重要!これさえ知ってれば安全!】エアコンの真空引き・ポンプダウン時の爆発事故の回避術
- 12 エアコンの真空引きは手動式の真空ポンプと電動式の真空ポンプどちらがいい!?
- 13 エアパージはエアコンの真空引き・ポンプダウンの代わりになるか?
- 14 エアコンの真空引き・ポンプダウンを自分でできない場合は専門業者に依頼しよう!
エアコンの真空引き・ポンプダウンとは?
エアコンの真空引き・ポンプダウンとはエアコンの取り付け時に室内機と室外機を繋ぐ銅管の中の冷媒ガスを室外機に閉じ込めて、配管の中の空気を抜き真空状態にする作業です。
具体的には、強制冷房運転のスイッチを入れると室外機の中のコンプレッサーの力です室外機から冷媒ガスが2分配管を通って室内機に行き、室内機から3分の配管を通って室外機に戻ってきます。その際に行きの2分配管のバルブをギュッと締めることで、配管の中に充填されている冷媒ガスが全てエアコンの室外機に溜まります。
この室外機に冷媒ガスを閉じ込めることをポンプダウンと言い、配管の中を全て真空状態にすることを真空引きといいます。ちなみに、エアコンの室外機にはフロンガス(冷媒ガス)が事前に充填されておりますが、このフロンガス(冷媒ガス)が室外機の中にあるコンプレッサーで圧力をかけて圧縮することにより気体から液体に変化しします。
そして、エアコンの室内機のアルミフィンを通過する際に、液化した冷媒がエアコン周辺の熱を奪って室内を冷やすという原理でエアコンは動いております。エアコンが本来持っている冷暖房能力を発揮させるためにも、この真空引き・ポンプダウンを行わなければいけません。真空引き・ポンプダウンが適切に行われないとエアコンの効きが悪くなるだけでなく、故障の原因にもなりますので細心の注意を払って作業をする必要性があります。
【超有料級】プロが解説!エアコンの真空引き・ポンプダウンの正しい手順と方法
エアコンの取り付け設置のプロがエアコンの真空引き・ポンプダウンの正しい手順と方法を詳しく解説しますので是非ともご参考にしてください。
【エアコンの真空引き・ポンプダウンの正しい手順と方法】
STEP1 室外機のメンテンスカバーをインパクトドライバーで外す。
(室外機のメンテンスカバーをインパクトドライバーで外すと配管が2つ出てきます。1つが2分配管で2分配管は室外機側から室内機に向かって冷媒の液体を送り出す配管になり、もうひとつが3分配管で3分配管は室内機から室外機に向かって冷媒ガスが戻ってくる配管を指します。)
STEP2 2分配管と3分配管のバルブキャップをモンキーレンチで外す。
STEP3 サービスポートに真空ポンプ、ゲージマニホールド、チャージングホースを接続する。
STEP4 真空ポンプからゲージマニホールドまでを真空にする。
STEP5 ゲージマニホールドのバルブを開けてゲージマニホールドからサービスポートまでを真空にする。
STEP6 チャージバルブでムシを押す。
STEP7 室内機本体の強制冷房運転ボタンを押す又はリモコンで18度の冷房運転に設定する。
(強制冷房運転時に必ずお客様にエアコンが冷えているかを確認して貰う。確認を怠ってしまいますと、エアコンの移設時にエアコンが冷えないとクレームが入る可能性が御座いますので事前に立会いをして貰って確認を一緒にとりましょう。)
STEP8 2分配管のバルブを締める。
STEP9 マニホールドで値が-0.1MPaになったら冷房運転を止める、エアコンのコンセントを外す。
(マニホールドで値が-0.1MPaになるまでは必ず待ちましょう。エアコンの設置業者の中でマニホールドなしで感覚で真空状態を判断する業者がいますが非常に危険ですので、マニホールドを購入して真空状態を計測してください。)
STEP10 3分配管のバルブを締める。
(2分配管と3分配管が両方とも絞められた状態ですので配管の中は完全真空の状態になっており、冷媒ガスは全て室外機に閉じ込められております。)
STEP11 エアコンの真空引き・ポンプダウンができたら5分程度、真空放置をマニホールドの値が変化していないかを確認する。
(真空放置はエアコンの真空引き・ポンプダウンが正しく行えたかを確認する上で最も重要な工程ですので面倒くさがらず必ず実施をしてください。マニホールドの値が-0.1MPaであれば無事にエアコンの真空引き・ポンプダウンが完了しておりますので、エアコンの取り付け工事又は取外し作業に進んでください。)
エアコンの真空引き・ポンプダウンに必要な工具
エアコンの真空引き・ポンプダウンに必要な工具一覧はこちらになります。
【工具一覧】
・真空ポンプ
・チャージバルブ
・マニホールド
・インパクトドライバー
・六角レンチ
・モンキーレンチ
真空ポンプとはエアコンの取り付け工事を行う際に配管の中を真空状態にする非常に重要な工具です。真空ポンプは大きく分けて手動式の真空ポンプと電動式の真空ポンプがあります。
適切に配管内を真空状態にしてから冷媒ガス(フロンガス)を充填することによりエアコンの冷暖房能力がしっかりと発揮されます。
エアコンの真空引き・ポンプダウンの所要時間
エアコンの真空引き・ポンプダウンにかかる時間は概ね10分~15分程度です。エアコンの真空引き・ポンプダウンにかかる時間が長くかかる場合と短い場合の差は、エアコンの配管の長さが大きく関係してきます。
エアコンの配管が長ければ配管内の空気がたくさんありますので、真空引きの時間が長くなり、一方エアコンの配管が短ければ配管内の空気が少ないのでその分真空引きの時間が短くなります。
エアコンの真空引き・ポンプダウンの確認方法は簡単!真空計のメモリ数値が-0.1Mpaが目安!
エアコンの真空引き・ポンプダウンの確認方法は必ず真空計のメモリを確認するようにしましょう。
メモリの数値が-0.1Mpaまで到達したらエアコンの配管の中でしっかりと真空状態になり、空気と水分が抜けている証拠になります。また、エアコンの真空引き・ポンプダウンをする際に真空ポンプのスイッチを入れると音がボボボと大きな音が出るのですが、真空状態になってくると音が徐々に小さくなり乾ききった音に変化していきます。
昔は真空計がない時代にはこの真空ポンプから出る音を頼りに真空状態を把握していました。
エアコンの真空引き・ポンプダウン後に真空放置をして真空計のメモリが戻らないかをチェック
エアコンのポンプダウンを真空ポンプを使って真空状態に出来たら、真空放置をすることをオススメします。
こちらの作業を行うことによってエアコンの設置後にガス漏れが発生しないかを再確認できますので是非とも皆さんも試しに挑戦してみてください。
真空放置とは?
真空放置とはエアコンの真空引き・ポンプダウンを完了した後に、3~5分間ほどそのまま真空計を設置したまま放置して、空気の漏れがないかをチェックすることです。
真空放置のメリット
真空放置を行うことによってエアコンの室内機と室外機を結ぶ配管内の空気がしっかりと抜けた状態(真空状態)を維持できているかを確認することができますので、エアコンの取付工事を完了した後にお客様からエアコンの効きが悪いので確認をお願いしますといった依頼を事前に防ぐことができます。
エアコンの取付工事を生業として行う場合に、既に設置を行ったお客様のところへ再訪問してエアコンの状態を確認することは大きな時間のロスに繋がりますので、少し手間ではありますが3~5分間の真空放置をして正しくエアコンの真空引き・ポンプダウンが行われていることを確認して下さい。
エアコンの真空引き・ポンプダウンをしないとどうなるか?
エアコンの真空引き・ポンプダウンをしないと様々なエアコンのトラブルが発生します。
具体的にどんなトラブルが発生するかひとつずつご紹介していきますので一緒に確認していきましょう。
エアコンの漏電リスクが高くなり感電事故や火災事故に繋がる。
エアコンの配管・銅管の中に水分が入ってしまうとことによって配管の中に霜が付着してしまい、漏電を引き起こす可能性が御座います。漏電を起こすと感電事故や火災事故にも繋がる恐れがあり非常に危険です。
水漏れが発生しエアコンの故障になる。
エアコンの配管に水分が凍りつき霜が発生することで、その霜が溶けた際に水漏れが発生することが御座います。
エアコンの水漏れは非常に危険でエアコンの内部には電子基盤がありますので、そこに水分が付着してしまうとエアコンの故障の直接的な原因になります。
エアコンの冷暖房の効きが悪くなる。
エアコンの真空引き・ポンプダウンをしないと配管の中に霜が発生してしまい、その霜が配管内に充填されている冷媒ガスの循環効率を悪化させてしまい、エアコンの冷暖房の効きが悪くなります。
無駄な電気代を払うことになる。
エアコンの真空引き・ポンプダウンをしないとエアコンの適正な冷暖房能力を発揮することができず、エアコンの効きが悪くなります。
そのため、設定温度を低くして風量を強くしてしまうことによって無駄な電気代を払うことになってしまいます。昨今、大手電力会社による電気代値上げラッシュが続いておりますので、エアコンの真空引き・ポンプダウンは適切に行いましょう。
配管の内部に傷がつく。
エアコンの真空引き・ポンプダウンをしないと配管に空気が残り、その空気に含まれる水分が霜に変化します。
そしてその霜が配管の内側を傷つけてしまい最悪のケース配管自体に小さな穴が空きガス漏れの原因にも繋がります。
エアコンの真空引き・ポンプダウンはエアコンの標準工事に含まれる!?
多くのエアコン設置業者ではエアコンの真空引き・ポンプダウンはエアコンの標準工事に含まれており、別途費用がかかることは御座いませんのでご安心ください。
真空引き・ポンプダウンを行う際の注意点
エアコンの真空引き・ポンプダウンを自分でする際の注意点として大きく分けると3点あります。
「真空引き・ポンプダウンの正しい手順で行う。」「正しいフレア加工」「真空ポンプとサービスポートの接続」この3点を意識してエアコンの真空引き・ポンプダウンを行えば安全に配管の中を真空状態にできますのでご参考にしてくださいね。
エアコンの真空引き・ポンプダウンの正しい手順通り行う。
エアコンの真空引き・ポンプダウンを自分で行う際に最も注意しなければいけないのが、作業手順です。
作業手順を誤って行うと高額なエアコンを故障させてしまう可能性が御座います。その他にも一度、エアコンの真空引き・ポンプダウンの手順を間違うと配管内に空気が残り、エアコンの水漏れを引き起こして漏電を招いてしまいます。
是非とも目次2の【超有料級】プロが解説!エアコンの真空引き・ポンプダウンの正しい手順と方法をしっかりと読んでいただき安全にエアコンの真空引き・ポンプダウンを行ってください。
正しいフレア加工、しっかりと配管を接続する。
エアコンの真空引き・ポンプダウンをどんなに正しい手順で行っていたとしても、フレア加工が正しく行えず、配管をしっかりと接続出来ていない場合にはガス漏れの原因になってしまいます。
正しいフレア加工技術も習得してからエアコンの真空引き・ポンプダウンを行いましょう。
真空ポンプとサービスポートを適切に接続する。
真空ポンプとサービスポートを適切に接続することにより、真空ポンプの力が正しく発揮でき、配管を真空状態にすることができますので僅かなズレもないように接続をしてください。
【危険!】エアコンの真空引き・ポンプダウン時になぜ爆発事故が起こる?その原因は?
エアコンの真空引き・ポンプダウンの際に爆発する一番の原因は配管内の空気を抜けきってない状態でエアコンのスイッチを入れてしまうことにより、室外機のコンプレッサーに空気が混入して過度な高圧状態となるからです。
コンプレッサーが過度な高圧状態に耐えきれなくなってしまった時に爆発を引き起こしてしまいます。毎年、エアコンの取り付け設置を自分で行おうとした方で、正しいエアコンの真空引き・ポンプダウンができず、爆発事故に巻き込まれてしまうケースが後を絶ちません。
エアコンの爆発事故に巻き込まれてしまいますと、爆発に伴い室外機の破片が高速で体に突き刺さったり、目に破片が入ると失明のリスクもありますのでエアコンの真空引き・ポンプダウンは自分で行わずプロに依頼をするのがベストな選択です。
【超重要!これさえ知ってれば安全!】エアコンの真空引き・ポンプダウン時の爆発事故の回避術
エアコンの真空引き・ポンプダウン時の爆発事故の回避術はたった一つのことを守って頂ければOKです。それはエアコンの強制冷房運転のスイッチを止めてから配管のナットを緩めることです。たったこれだけです!
エアコンの真空引き・ポンプダウン時の爆発事故はコンプレッサーに空気がどんどん入ってしまい、コンプレッサーが超高圧になり、その圧力に耐えれずコンプレッサーが爆発・破裂をしてしまうので、そもそもコンプレッサーが動いていないと爆発事故は起きないのです。
こちらはプロのエアコン設置業者のみならず、これから自分でエアコンをDIYで取付設置してみようと考えている方両方に必ず守って貰いたいです。
エアコンの真空引きは手動式の真空ポンプと電動式の真空ポンプどちらがいい!?
手動式の真空ポンプと電動式の真空ポンプですと圧倒的に電動式真空ポンプの方が配管内をしっかりと真空状態にできるのでオススメです。
手動式の真空ポンプのメリットは経済的に安価であることが挙げられますが、手動ででポンプを押したり、引いたりと体力を使いますので非常に疲れるというのが大きなデメリットにもなります。
電動式真空ポンプではスイッチを入れると自動的に配管の空気が短時間で抜けるので多くのプロのエアコン設置業者は電動式の真空ポンプを利用しています。
エアパージはエアコンの真空引き・ポンプダウンの代わりになるか?
エアパージはエアコンの真空引き・ポンプダウンの代わりに絶対になりません。
なぜなら、エアパージはエアコンの設置をした後に冷媒ガスを室外機のバルブから注入して、配管内の空気を押し出す方法ですので完全に配管内の空気や水分を除去することができません。またエアパージは作業中にどうしても冷媒ガス(フロンガス)を大気中に排出してしまいますので、地球温暖化に繋がりおすすめしません。
エアパージの方法で施工をすると配管に空気や水分が残り、エアコンの冷暖房を付けるとコンプレッサーにも負荷がかかり故障リスクが高くなるだけでなく、エアコンの効きも大幅に悪くなってしまいますので必ずエアパージではなく真空ポンプを使って真空引き・ポンプダウンを行って下さい。
エアコンの真空引き・ポンプダウンを自分でできない場合は専門業者に依頼しよう!
エアコンの取り付けを自分で行う場合にはエアコンの真空引き・ポンプダウンは必要不可欠です。
エアコンの真空引き・ポンプダウンを自分でできない場合は専門業者に依頼した方が賢明です。その理由として経済的にも、数年に1度しかエアコンの真空引き・ポンプダウンを行う機会がないにも関わらず高額な真空ポンプやゲージマニホールドやチャージバルブを購入するのは得策ではないかと思います。
また、誤った方法で真空引きをしてしまうとエアコンの冷えが悪くなってしまうだけでなく、故障の原因にも繋がりますので是非とも十分な知識と経験を持つエアコンの設置業者に依頼をすることを強くオススメします。
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