【この記事で分かること】
エアコンの穴あけ工事の適切な位置が分からなくてお困りででしょうか?エアコンの配管穴の位置を間違うと家の耐震強度で重要な柱に穴を空けてしまうことになりますので非常に注意が必要です。
本記事ではエアコンの穴あけ工事の適切な位置の見つけ方を解説するだけでなく、失敗しないエアコンの穴あけ工事の方法と手順やプロは図面を見なくても穴の位置が分かる秘密なども紹介しておりますので是非ともご参考にしてください。
~目次~
エアコン取り付けの穴あけ工事とは?
エアコンの標準工事に含まれている穴あけ工事はエアコンの室内機と室外機を結ぶ配管やドレンホースを通す穴でエアコンを取付工事をする際に必要不可欠なものです。これから新築の戸建を建てる方は事前に建設会社にエアコンの穴あけ工事を依頼しておくとスムーズにエアコンの取付設置を業者に行って貰えますのでオススメです。
エアコンの穴あけ工事費用は標準工事の範囲内
エアコンの穴あけ工事の費用は原則にエアコンの取付標準工事の中に含まれておりますので別途支払いをする必要はありませんのでご安心下さい。ちなみに、エアコンの取付標準工事の全国相場は6畳〜14畳(冷房能力2.2kW〜4.0kW) で17,000円程度で16畳以上(冷房能力5.0kW〜) で22,000円程度です。エアコンの標準工事には下記の内容が含まれております。
【エアコンの標準工事の内容】
・エアコンの穴あけ工事
・パテ埋め
・ガス管・液管の接続
・フレア加工
・VA線の接続
・背板の取付
・室内機の設置取り付け
・室外機の設置取り付け
(例外)エアコンの穴あけ工事で別途費用がかかるケース
原則としてエアコンの穴あけ工事は標準工事に含まれておりますが、例外として別途費用を支払わなければいけない場合が御座います。それは壁材が特殊な場合です。具体的には下記のような壁材の場合には1か所の穴あけ工事でプラスでお金が発生しますのでご確認お願いします。
【壁材の種類】
木造 約3,000円
コンクリート壁 約15,000円
タイル 約8,000円
ALC 約4,000円
ガルバリウム 約7,000円
モルタル 約3,000円
その他にも天井高が高い吹き抜けのリビングにエアコンを設置する場合の穴あけ工事は別途費用が発生します。エアコン設置の高所作業は危険が伴うので、その分の料金がかかります。
【有料級】プロは図面を見なくても穴の位置が分かる!エアコンの適切な穴あけ位置の決め方解説
エアコンの穴あけ工事で最も重要なのがどの位置に穴あけ工事をするかです。プロのエアコン設置業者が絶対に失敗しない正しい穴あけの位置の決め方を徹底解説致します。
STEP1 横ライン 壁の裏にある本柱・間柱の位置を知る。
日本の木造建築で最も伝統的な工法である木造軸組工法は縦の構造材に通し「柱」に横の構造材である「梁」を組み合わせて木造住宅を建てる建築工法です。こちらは別名在来工法とも呼ばれており、一般の木造住宅のみならず、日本の様々な伝統的な建造物にも利用されております。
そして、この木造軸組工法では必ず家の角に柱が入っており、建築物の耐久性を向上させる上で非常に重要な柱となっております。この柱は基本的に910mmの間隔で入っており、間口が3640であれば4本の柱が入っていることになります。(正確にはメインとなる通し柱が2本と間に入っている間柱が2本の合計4本が入っております。)ちなみにこの910mmは柱の芯芯の長さですので、壁側の奥に見えない柱もイメージしなければいけません。通し柱の断面寸法は一般的には4寸角(12センチ×12センチ)ですので、その半分の60mmプラス石膏ボードの多くが厚さ12.5mmですので合計72.5mm壁から奥側に柱の芯があると計算をしてください。
そして間柱が概ね100mmですので910mmの間隔で100mmの間柱が壁の奥側にあることを想像して、柱を避けるとエアコンの穴あけ位置の横ラインは決定します。柱の位置が分かったら当然柱の位置には穴を開けてしまいますと建築構造上非常に問題がありますので、柱のない位置をピンポイントで見つけてください。
STEP2 縦ライン 筋交いにエアコンの穴が当たらない場所を探る。
壁の裏にある本柱・間柱の位置が分かり【横のライン】が正確に決まりましたので、今度は【縦のライン】です。縦のラインで注意をしなければいけないのは筋交いです。
筋交いとは間柱と間柱又は通し柱と間柱の間に斜め掛けに交差させる木材で、建物の強度を高めるために利用されております。筋交いの幅は105mmですので、この105mmの幅の筋交いが右から左に、左から右に両掛けされていることを想定して【縦のライン】を決定してください。
STEP3 右直or左直? 窓の位置から右直配管か左直配管かを決める。
【結論】右直配管か左直配管かは窓側の間柱に近い方に配管の穴が通るようにするのが正しい決め方です。
【事例解説】エアコンの正しい穴あけ位置を徹底解説
まず、こちらの写真をご確認お願いします。既に完成形のお部屋ではなく、建設途中の段階の写真では本柱と間柱の位置が分かるかと思います。先ほどのおさらいにはなりますが
【STEP1 横ライン】を決めなければいけませんので、こちらの写真の本柱と間柱が910mmの間隔であることを認識して横ラインを決定してください。
【STEP2 縦ライン】縦ラインの決定方法は本柱と間柱の間に斜め掛けになってますので、写真の②のようなスペースを見つけて縦ラインを見つけてください。
【STEP3 右直or左直】の決定方法ですが大きな窓が2つ中央にありますので、右側の大きな窓の横にある間柱(写真③)があることを確認してください。そうすると窓の位置から近いほうですので写真④の箇所がエアコンの適切な穴あけの位置となります。
【裏技】穴あけ工事で下地探し針で柱を探す方法
初心者で穴あけ工事をするなら、エアコンの穴あけ位置を決めた後に念のため下地探し針を利用してみましょう。下地探し針を使えば間柱と本柱の位置を正確に確認することができます。
使い方としましては下地探し針を正しい位置に壁に刺してみると、石膏ボードを貫通して外壁側まで行きますので20mm以上いきます。一方、間柱と本柱がある箇所に間違って下地探し針を刺すと石膏ボードの厚み12.5mmの位置で止まります。是非とも、初心者の方はエアコンの穴あけをする前にこの下地探し針を利用してみてくださいね。
【プロ直伝】失敗しないエアコンの穴あけ工事の方法と手順
エアコンの取付設置のプロが初心者でも失敗しない正しいエアコンの穴あけ工事の方法と手順を分かりやすく解説致します。
エアコンの正しい穴あけの位置を見つける。
《目次3の【超有料級】プロは図面を見なくても穴の位置が分かる!エアコンの適切な穴あけ位置の決め方徹底解説》でご紹介した方法で正しいエアコンの穴あけの位置を見つけてください。
穴あけ工事の際に出るゴミの受け皿を作る。
エアコンの穴あけ位置の真下に穴開け工事を行うときに出るゴミ屑を回収する受け皿をエアコンの取扱説明書等で作って下さい。
エアコンの壁を開ける際には結構たくさんの石膏ボードの破片等がでてきますので、お部屋が汚くならないように事前に受け皿を準備してくださいね。
内壁の石膏ボードに穴あけをする。
エアコンの穴あけ工事専用で利用するドリルをコアドリルといい、このドリルを使って内壁の石膏ボードに穴あけをします。
コアドリルを使ってエアコンの穴あけを行う際には、外壁まで一気に穴あけをするのではなくて内壁の石膏ボードのみを一度くり抜くのが安全で正しいやり方です。一度に外壁まで一気に穴を開けてしまいますと、壁の中にある電気配線や給排水管も切断してしまう可能性があります。
壁の中の断熱材を左右に寄せてから外壁側にも穴あけする。
石膏ボードに穴あけをしてから、壁の中の断熱材を左右に寄せて電気配線や給排水管がないことを確認してから最後の外壁側まで穴あけを行ってください。
内壁から石膏ボードに穴を開けてから最後に外壁側の穴を開ける場合には、わざと少しだけ勾配をつけてエアコンの穴あけをしてください。
もしエアコンの穴が逆勾配や水平になっているとエアコンの冷房を入れた際に発生する結露が適切にドレンホースをつたって排出することができなく、水漏れの原因になりエアコン自体が故障になってしまうリスクが御座います。
エアコンの穴にスリーブを設置する。
エアコンの穴に適切な長さにカットしたスリーブを挿入してください。スリーブを挿入後は配管の穴とスリーブの間に隙間ができますので、しっかりとその隙間が埋まるようにコーキングをして気密性を高めてください。
エアコンの穴にスリーブを設置するコツとしましては、ぴったりの長さにスリーブをカットするのではなくて、わざと1cm程スリーブが室外の配管からはみ出る長さで切断をしてあげることです。そうすることによってコーキングを注入する際に、1cmほどスリーブの先端がはみ出ていることによってコーキングとの接着面が増えて綺麗な仕上がりになります。
エアコンの穴に配管・ドレンホース・VA線を通す。
エアコンの穴にスリーブを取り付けたらいよいよエアコンの穴に配管・ドレンホース・VA線を通してください。配管を通した後は配管を折らないように優しく手曲げをして適切な角度をつけてください。
又は手曲げで配管が折れてしまう心配の方はチューブベンダーを利用するのもいいでしょう。
エアコン専用パテで配管穴を埋める。
エアコン専用パテをしっかりと手でこねて柔らかい状態にしてから成形をしてください。成形したエアコンパテを使って室内側と室外側の配管の穴に隙間がないように埋めてください。
エアコンの穴あけのサイズ
エアコンの穴あけの一般的なサイズは内径70mmとなっております。内径70mmあれば配管とドレンホースとVA線の3つを通すサイズとして適切です。
エアコン配管穴の再利用はできる?
【回答】お住いの賃貸マンションで既にエアコンの穴がありている場合には、その穴を再利用してエアコンの設置が可能です。
悪質業者の穴あけ工事の失敗事例
悪質なエアコン設置業者にエアコンの穴あけ工事を依頼してしまうとこんなヤバイことが起きてしまいますよという悪い事例として反面教師にして頂ければ幸いです。衝撃写真が御座いますので不快に感じる方はあまり見ることをオススメしません。
《涙の失敗事例1》 エアコンの穴あけの手抜き工事 欠陥すぎだろ!筋交いに穴が・・・
こちらのエアコンの穴あけ工事をご確認してみてください。筋交い部分のとことをごっそりとエアコンの穴が開いてしまっているではありませんか・・・本当に最悪です。エアコンの穴あけを不適切な場所に行ってしまうことによって、お施主様は一生に一度の買い物であるマイホームに耐震構造上欠陥がでてしまうのです。
正直、エアコン取付設置の同業者として非常に心が痛くなる失敗事例です。しっかりとエアコンの正しい穴あけの位置を探る知識と経験がこの職人さんにあればこんな失敗には絶対にならなかったはずです。是非とも、こんな粗悪な業者には依頼をしないように業者選びは慎重にしましょうね。
《涙の失敗事例2》 エアコンの穴あけの手抜き工事は最悪!間柱に穴が・・・
続いてのエアコンの穴あけの手抜き工事の写真もご確認下さい。ご覧になってお分かりいただけるでしょうか?間柱に完全に穴が開けられてしまっています。。正直、プロとしてこれはもう目も当てれないほど酷すぎる施工です。
どうしたらこんな穴あけの手抜き工事ができるのでしょうか?これでは地震が発生した時に、家を支えることができるはずがありません。本当に最悪です。エアコンの穴あけ工事の非常に怖いところは一度穴をあけてしまうとリカバリーができにくいことです。ちょっと修理をすれば大丈夫という問題ではなく、クロスや石膏ボードを取り外してから、再度間柱や筋交いを交換しなければいけなくなってしまいます。
ここまでくると家を完成させるための工期にも大きく影響してしまい、様々な業者にも迷惑を掛けてしまいます。さらに施主の立場になって頂ければお分かり頂けるかと思いますが、夢のマイホームを完成前に再度やり直しをされることほど胸が痛いものはありません。またマイホームの工期が延びることによって銀行からの借入期間が長くなりますので、工事期間利息を多く支払いをしなければいけません。
つまり、精神的にも経済的にもダメージを受けてしまうのがエアコンの穴あけの手抜き工事の怖さなのです。皆さんは、こんな悪質なエアコン設置業者に騙されないようにしてくださいね。安かろう悪かろう業者ではなく、しっかりと知識と経験が豊富なエアコン設置業者に依頼をお願いします。
自分でエアコンの穴あけ工事を推奨しない理由
自分でエアコンの穴あけ工事をDIYすることで節約をしたいと考えている方は残念ながらご自身でエアコンの穴あけ工事をすることは推奨致しません。具体的には下記の5つの理由が挙げられるからです。
配線の断線リスクがある。
エアコンの穴あけ工事の際に壁の内側には配線が張り巡らされております。適切に配線を避けて穴あけ工事ができればいいですが、プロとしてエアコンの穴あけ工事をしたことがない一般人にとっては安全に作業を行うにはハードルが非常に高すぎます。
万が一、エアコンの配線を間違って切断をしてしまったら、配線の復旧工事だけでも大きな出費がかかってしまいます。是非とも配線の断線リスクを避けるためにも自分でエアコンの穴あけ工事をするのはやめましょう。
エアコン専用の穴開けドリルのコアドリルは高額である。
自分でエアコンの穴あけ工事をするためには、エアコン専用の穴あけドリルのアタッチメント、通称コアドリルを購入しなければいけません。こちらのコアドリルだけでも2万円程度かかりますし、さらに壁に穴をあけるためには強度なトルクを持つインパクトドライバーを購入しなければいけません。
つまり、コアドリルのアタッチメントとインパクトドライバーの2つを購入するだけでも5万円以上お金がかかります。このお金を払うよりもプロのエアコン取り付け業者に依頼をしたほうが安く注文をすることができますので経済的なメリットがあります。
穴あけ工事後のフレア加工は難易度が非常に高い。
エアコンの穴あけ工事が終わったらいよいよ室内機側と室外機側の配管を接続することになりますが、配管同士を接続するのにフレア加工を施さなければいけません。
このフレア加工はエアコンのプロの設置業者でも最も難易度が高い技術力が必要ですので、自分で行うのには厳しいと言わざるを得ません。エアコンのフレア加工に失敗をしてしまうと、ガス漏れの原因になってしまいますので、ご自身で施工をしないほうが賢明でしょう。
壁の中にある柱や筋交い・間柱を破損してしまう可能性がある。
エアコンの穴あけ工事をする前にプロのエアコン取り付け業者によっては自宅の図面を確認をしてから、壁の中のどこに間柱や筋交いがあるかを現場で判断します。
この間柱や筋交いは建物の耐震構造上非常に重要なものですので、これらにコアドリルで誤って傷をつけたり、切断をしてしまうと耐震強度に大きく影響を与えてしまいます。そのため、自分でエアコンの穴あけ工事をするのはリスクが非常に高いので推奨はしません。
エアコンの穴あけ工事後に隠蔽配管の施工は配管を折るリスクがある。
エアコンの穴あけ工事後に隠蔽配管の施工を自分でしようとする場合には2分配管と3分配管を適切な強度で曲げなければいけません。その際に経験の浅い一般の方であればどの程度の強度で曲げればいいかが分からないので配管を折ってしまうリスクがあります。
特に一度折り曲げた配管を逆方向に力を加えてしまいますと銅管は非常に折れやすいので慎重に作業をする必要性があります。
賃貸の穴あけ工事前は不動産管理会社に確認を!
賃貸マンションにお住まいの方がエアコンの穴あけ工事を業者にお願いをする前に必ず不動産管理会社に一度確認の連絡をすることをオススメします。
借りている賃貸マンションの大家さんの意向によっては壁に穴あけ工事を行うことを敬遠する人もいますので、事前に相談をすることによってトラブルになることを避けることができます。
壁にエアコンの穴あけ工事不可なら窓用エアコン
壁にエアコンの穴開けれない場合や、エアコンの室内機を壁に設置するスペースがない場合には窓用エアコンを設置することがオススメです。窓用エアコンであれば室内機と室外機が一体となっておりますので、室内の窓に窓用エアコンを取り付けるスペースさえあれば設置をすることができます。
また賃貸マンションにお住いの方は退去時に現状回付をしなければいけませんので、窓用エアコンを設置することによって壁に室内機の背板をビス留めしなくてOKですので原状回復工事費用を抑えることができるというメリットがあります。
さらに壁掛けエアコンと比較して窓用エアコンの方が費用が安く抑えることができます。窓用エアコンの相場は3万5000円程度で非常にお手頃な価格帯です。是非とも壁にエアコンの穴を開けられない状況の方は窓用エアコンは最善の選択かと思いますのでご参考にしてくださいね。
エアピカは高品質な完全分解エアコンクリーニングを提供しており、現在全国に拡大中です。
尚、エアピカ(運営:株式会社サンマイル)は日本エアコンクリーニング協会の会員資格保有。
くらしのマーケットで400件以上の口コミを頂き、総合・口コミ評価一位を獲得。
コメントを残す